「やりたいことはあきらめない、起業して変化した時間の質」

業務内容
■木造住宅の建築設計監理
■住宅の検査業務(住宅瑕疵担保責任保険会社と契約)
■職業訓練校の非常勤講師
■今治市・愛媛県の委員会や協議会の委員
起業しようと思った理由、きっかけ

きっかけは、子どもの存在です。一人目の妊娠を機に会社を退職して専業主婦となりましたが、それまでキャリアウーマンとして働いてきた私にとって、専業主婦は退屈でした。
そこで二人目の時は、産後4か月で子どもを保育所に預けて働き始めたのです。

復帰1年目は建築とは関係ない職場で、2年目で建築会社へ転職しました。会社は子育てには理解があり、保育所からの突然の呼び出しにも対応してもらっていましたが、「会社に対して申し訳ない」という気持ちが大きくなっていきました。また、主人は平日休みの仕事で、土日は私が一人で子どもの面倒を見なければならず、仕事と家事と子育てで心も体も余裕がなくなってしまいました。「このままではダメだ」と思い自分自身の時間を取り戻すため、そして子どもとより深く関わるために、起業することにしました。

起業して良かったこと

起業して、自分の時間を持てるようになり、気持ちに余裕ができたことで“時間の質の変化”を実感しています。
自分の予定をあらかじめ設定し、空いた時間に仕事を入れることができるので、子どもの学校行事にも気兼ねなく参加できました。

一時期は、起業前よりも収入が少なくなり不安に駆られたこともありましたが、年を重ねるごとに収入も安定し、気持ちに余裕が生まれました。退職と同時に、同じ建築業界で仕事している主人や建築士事務所を開業した先輩に相談したり、仕事関係者にコンタクトをとったりしてネットワーク作りの種まきをしたことが今につながっていると思います。

また、本業以外にも色々なことにチャレンジできるのもメリットです。資格や職歴を生かして講師として活動し、様々な人と接することで人間としての中身も成長したのではないかと思います。

現在の課題

今は仕事が安定していますが、この先同じ仕事があるという保証はありません。取引先にとって必要不可欠な存在であり続けるために、常に新しい情報等に目を向け、自身の向上に努め続けています。

個人事業主には、有給休暇もなければ雇用保険もありません。病気やケガで仕事が出来なくなれば収入はゼロになってしまいますので、健康管理や車の運転等には気を付けています。

健康であっても歳を重ねるごとに体力は落ちてきます。現在は建築現場の足場に登って作業するような仕事を請け負っていますが、いずれはそれが難しくなることになると思います。その時自分に何が出来るのか、そのために今何を準備すべきなのか考え、準備しています。

ご自身のワークライフバランスについて

私は今、自信を持って「プライベートも仕事も充実している」と言えます。仕事4割、家事・育児3割、プライベート3割とった具合でバランスが取れているのです。

私はやりたいことをあきらめたくありません。

やらなければならないこと、やりたいことを優先し、予定を埋め、空いた時間をどう使うかを考えて自分をマネジメントしています。
プライベートでは料理教室などのカルチャー教室に通ったり、ダンスを習ったりいろいろな経験をしてきました。今はランニングとゴスペルを継続してやっています。プライベートでの出会いも自分の中身の成長の源になり、新しい情報を得るきっかけにもなっています。

何かをはじめたい女性へメッセージ

何か新しいことを始めるのには勇気が必要です。

躊躇している人はたくさんいると思いますが、一歩を踏み出さない限り何も変わりません。新しい一歩を踏み出せば新しい世界が開けます。

起業するにあたって、情報収集や人脈を広げるのも大事ですが、周りに頼れる人や味方をつくってください!自分の味方をどれだけ見つけられるかが、起業の成功には不可欠だと思います。

また、起業する目的をはっきりさせておくことが大事です。上手くいかなければ、上手くいくよう軌道修正すればいいのです。“ブレない目的”があれば乗り切っていけます。自身の目的に向かって頑張る!という気持ちを強く持って欲しいと思います。